テレビを始めとしたメディアでは、連日バンクーバーオリンピックに関する情報が飛び交っている。流行に敏感な(影響されやすい?)筆者は、前回のトリノの時はフィギュアスケートに感動し、思わず高田馬場のスケートリンクに足を運んでしまったが、今回のバンクーバーを観戦していて、そういえば新作旧作を含めて冬季オリンピックが感じられるゲームって皆無だなと思っていた。版権の取得が大変? それとも複数の種目をフォローしないといけないから開発が大変? まあ、そんな邪推はともかく、冬季オリンピックが感じられるゲームってないことは事実といってもいいだろう。ところが、よくよくさがしてみたら、なんと今をさかのぼること20数年前に、冬季オリンピックを感じさせるタイトルが、すでに存在していたのである。それがボーステックの『ホットドッグ』(1986年)。もちろん、我がEGGでも配信しているので、今回はタイムリー?な、『ホットドッグ』にスポットを当ててみたいと思う。
合計31のゲートを通過しなければいけない。一つでもミスればその場でゲームオーバー。
ちなみにホットドッグのどこがオリンピック? と思った人は、まだまだ甘いぞ。というのは、現在の冬季オリンピックにはモーグルなどのフリースタイルがあるが、実はフリースタイルの前身がホットドッグ(スキー)なのである。スキーとホットドッグの間には関係がないように思えるが、でこぼこした斜面が、マスタードを塗りたくったホットドッグを連想させることからそうしたネーミングになったのだといわれている。
合計31のゲートを通過しなければいけない。一つでもミスればその場でゲームオーバー。
さっそく『ホットドッグ』のについて紹介してみよう。本作は三部構成となっていて、スラローム、モーグル、エアリアルが楽しめる。競技をセレクトすることはできず、最初はスラロームから始まり、クリアーできれば順にモーグル、エアリアルといった形で、新たな競技が登場する仕組みだ。というわけでエアリアルを楽しむには、前の二つをクリアーしなければいけないという、ちょっとやっかいな……いや手応え十分な内容なのだ。
盛り上がったコブでエアーを決める。どのエアーがでるかはランダム?
まず最初のスラローム。これは二本のバーで構成された31本のゲートを通過しながら完走するというものだ。一つでもゲートを逃すとその場で失格(ゲームオーバー)となるシビアな内容だが、ちょっとゲームに明るいものであれば、何回か練習すればクリアーできるだろう。ちなみにクリアーするコツは、コブを避けることだろう。コブでジャンプしてしまうと空中では制御が利かないし、コブへの進入角度が悪いと転倒してしまう。転倒やジャンプはゲートを逃す大きな要因となるので要注意だ。
お次がモーグル。コブを使ってエアーを決めつつ完走するというものだ。とはいえ、これがなかなかに難しい。エアーが決められるのは盛り上がったコブのみで、コブにさしかかった瞬間にタイミング良くスペースキーを押す必要がある。おまけに直進以外でコブに突入すると転倒してしまう。スラロームは何とかなっても、ここで挫折するプレイヤーが続出するのではないだろうか。それくらい難しい。筆者も何度心がおれそうになったことか……。スラロームよりもコースが短いので、左右のターンを使ってうまく減速し、盛り上がったコブを確実に狙っていきたい。ちなみに最低でもエアは二回は決めないとクリアーはできないようだ。
スコアもあるので、やり込み要素も抜群? 5プレイヤーまで参加できるので、友達と競っては?
最後がエアリアル。これは左右に体をひねって加速し、ジャンプ台でタイミングよくスペースキーでジャンプ。さらに空中では方向キーを押してエアリアルを決める。本作最大の見所といってもいいだろう。これについては特筆すべき事はなく、ここまでこれればアドバイスはいらないように思う。
とまあ『ホットドッグ』を用いて、ちょっとバンクーバー気分に浸ってみたわけだが、皆さんもいかがだろうか? EGGスタッフの中には『ホットドッグ』は難しすぎると評価する人もいるが、レトロゲームは難しくてナンボ。ほどよい手応え?の後には、ちょっとした爽快感が得られてしまった。ぜひともキミだけのオリンピックを体験してもらいたい。
上手にジャンプできたら、空中でキーを入力することで多彩なエアリアルが繰り出せる。