X68000版『ライトニングバッカス』は、同機種においてもっとも早くADPCMドラムを導入したゲームのひとつである。いや、単にドラムにだけでなく、フレーズサンプリングにも効果的に用いているなど、1989年という時代を考えればきわめて先進的なものだったといえるだろう。
鋼鉄騎兵たちの栄光なき戦争の日々を、メタリックなFM音色で彩った孤高のサウンドは、初期メサイヤ作品の中では群を抜いて重厚なものだ。音楽担当はガブリンサウンド。のちの『重装機兵レイノス』に通じるこのタフな音世界を、EGG MUSICでの初完全サントラ化を通して、ぜひ味わっていただきたい。